たー坊の日記

読むこと、聞くこと、書くこと、世界の探求

失われた時間を求めて

竹内まりやさんの「駅」は、酒を飲みながら繰り返し聴いていると、人目もはばからずに号泣してしまう恐ろしい曲です。 なんでそんなことになってしまうかなぁと折にふれて考えてきました。 歌詞をつらつら追いかけてみるに、よくできたストーリーだとは思い…

グルダの美学

マルタ・アルゲリッチの伝記を読んでいました。 アルゲリッチが故郷のアルゼンチンを離れ、オーストリアのウィーンで師事することになるのがフリードリヒ・グルダです。 アルゲリッチは「グルダの美学」に惚れ込んでいました。 一般的にピアノソナタでは、男…

『騎士団長殺し』のどこがすごいか

村上春樹さんの新作『騎士団長殺し』を読みました。 毎度の馬鹿自慢になりますが、このタイトルのもととなったモーツァルトのオペラ「ドン・ジョヴァンニ」について僕は何も知りませんでした。 でも、ちゃんと小説を読めば、予備知識が皆無でも「ドン・ジョ…

第九コンサートに行ってきた。

先日、第30回「県民による第九」というコンサートに行ってきました。 会場は一階席がほぼ満員という盛況ぶりで、「県民による」という修飾どおり、若い人からお年寄りまでいろんな人が集まっていました。 チラシを見て「ブルックナーやるん?」という声が聞…

鳥大フィルハーモニー管弦楽団の第48回定期演奏会に行ってきた。

先日、鳥取大学フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会に行ってきました。 48回目となる今回の曲目は、モーツァルト「フィガロの結婚」序曲、ベートーヴェン「交響曲第1番」、ブラームス「交響曲第1番」、アンコールにブラームス「ハンガリー舞曲第1番」とい…

あるあるとナンセンス

ほんっとうに久しぶりに吉本新喜劇をテレビでみました。 期待半分、不安半分でみはじめたのですが、ずっと笑いっぱなしでした。 最初は知らない役者さんばかりで戸惑うこともあったのですが、よくセリフや動きをチェックしていると、吹き出すこともしばしば…

2016/10/21の鳥取地震について

先月21日に鳥取地震が発生しました。 僕は鳥取県東部に住んでいますが、突然ガタガタ揺れ出して、次第に揺れが大きくなり、ものが落ちてきたりしました。(ぬいぐるみ1個だけでしたが) その後はNHKの報道にもあったとおり、余震が続き、1週間ぐらいは大きな…

なりきり自慢

僕は読書をすると行動に影響が出るらしい。 先日は、村上春樹の『1Q84』のBOOK3を読んでいたら、牛河という私立探偵が妙に気に入りました。 「俺にはとりたてて才能はないけど、粘り強さだけは自信がある。それだけで飯を食ってきた」 このようにうそぶ…

私は客観である。

言葉を字面で真に受けてしまう人ほど、自分は主観であって客観ではないと思ったことがないでしょうか。 このことは一面では正しいのですが、別の面では間違っています。 なぜなら、鼻からあなたは客観だからです。 「私はこう思う」というのは、主観であると…

あなたの中にブルックナーはいるか? 高原英理『不機嫌な姫とブルックナー団』

クラシック音楽の読み物は、難解になるものが少なくない。 ことば自体が馴染みの薄いイタリア語だったり、何を指しているのか分からなかったりすることが多いからだ。 音楽経験がないと、アダージョの意味を覚えたり、ハ短調とは何かを理解するのも困難であ…

ことばと心、肉と身体

今年の夏はいろんな意味で暑かった。 メディアが連日リオ・オリンピックで賑わっていたし、個人的には甲子園大会も連日テレビで観戦した。 そして例年になく地元鳥取市の気候が暑かった。 甲子園とオリンピックがほとんど同時に終わって、ちょうど夏の暑さが…

獣道

ようやく梅雨が明けそうになると、仕舞ってあったアサヒのクロスバイクを出してサイクリングに出かけた。 通信販売で買った自転車で、整備にやや不安がある。 実際、前輪のブレーキを固定するねじの締め忘れがあって、ブレーキがぐらぐらしていた。 フレーム…

健康と芸術とマンガ家と 吾妻ひでお『失踪日記』『アル中病棟』

このところブログを更新することができませんでした。 ほとんどなにも頭に浮かばない状態で、小説を読んでも長続きせず、昨夜はマンガを一話読んでくたびれるというありさまでした。 そのマンガが吾妻ひでおさんの『失踪日記』で、あんまりおいしそうにお酒…

コミュニケーションの前提とルール

最近本を読んでいて目を開く思いだったのが、松浦弥太郎『考え方のコツ』でした。 「暮しの手帖」の編集長をされているそうですが、コミュニケーションについての考え方はなるほどと腑に落ちるものでした。 まずコミュニケーションの前提は、自分が幸せでい…

受け手としての大瀧詠一

大瀧詠一という人を知っているだろうか。 数年前にお亡くなりになられましたが、いまでも熱心なフォロワーが沢山いて、その人たちはナイアガラーと呼ばれています。 僕がフォローし始めたのはごく最近のことで、失礼があっては困るのだけど、大瀧詠一さんの…

妄想する脳 消化する身体 

何か買ってきても、どうも僕は消化しきれないことが多い。 食べるものに関しては大丈夫だったのだが、最近食べきれなくて残すことが多い。 年齢を重ねているのは内臓も同じことなのだ。 少しは身体をいたわらねばと思う。 そもそも消化しきれないのは、買っ…

スランプの時に必要な小さな成功体験

最近、なんとなく調子がよくない。 なにをしたらいいか、モヤモヤしながら、同じ所を堂々巡りしている。 自信を失って、目標も見えなくなった。 こんな時はスランプを疑ってみてもいいかもしれない。 スランプに陥った場合、気分転換をしてもあまり効果がな…

「タックのうた」とともに半生を振り返る

タックの歌 朝、iPhoneで音楽をシャッフルさせながら散歩をしていたら、「タックのうた」がかかった。 「タックのうた」というのは、ウルトラマンエースに出てくる超獣攻撃隊「TAC(タック)」を称えるうたである。 会計士受験予備校のTACとは、たぶんなんの…

ユーモア音楽のロッシーニ 「泥棒かささぎ 序曲」

クラシック音楽にはどこか厳めしさが付きまといます。 しかしそれを振り払うかのような逸話や楽曲も存在します。 学校のベートーヴェンの肖像画が厳めしいのは、昼飯がまずかったからだとか。 真偽は定かではありませんが、一定の説得力を持ちます。 なぜな…

一の成立の起源

一はどのようにして成立したか。想像するに、矛盾律を発見したことで成立したのではないか。矛盾律とは、Aであり同時に非Aであることはできないというものだ。具体的にいうとこういうことだ。僕はこのリビングの椅子に座りながら、となりの部屋のソファに座…

続・自己分析 自分の強み診断の結果と公平性について

先日の振り返りに続いて、自己分析をしてみた。マーカス・バッキンガム&ドナルド・O・クリフトン『さあ、才能に目覚めよう』(日本経済新聞出版社)という本のおまけでついてくる「ストレングス・ファインダー」というものを試してみた。177個の質問に答え…

あらためて自己紹介 人に歴史あり

プロフィールを更新するにあたって、あらためて自分の関心を振り返ってみました。僕は少し変わった子で、高校は進学校に進みながら、プロの自転車レーサーになることを夢見ていました。自転車競技の経験は皆無でしたが、なんとなく向いているような気がして…

目のくらむ映画をみているような ラヴェル「ピアノ協奏曲」

パシッと一発、鞭を入れて曲が始まる。 あるいは映画のカチンコのような音だといってもいい。 この音を聴いただけで、「ラヴェルってかっこいいな」と思い、曲に引き込まれる。 ラヴェルは19世紀から20世紀にかけて活躍したフランスの作曲家である。 作風は…

フォーエヴァー、お姉ちゃん 水谷優子さんを偲んで

「ちびまる子ちゃん」のお姉ちゃん役をされていた声優の水谷優子さんが亡くなった。 あまりにも若く、突然の訃報に驚いた。 「ちびまる子ちゃん」が始まったのは、僕が中学生の頃だった。 いまでは日曜夕方の定番番組になっているが、はじまったころはある種…

なりきり古代人として 近藤ようこ『死者の書』

近藤ようこ『死者の書』上下巻を読みました。 原作は民俗学者・国文学者の折口信夫です。 僕は本も漫画も読むのが遅いのですが、この漫画はほとんど一気読みしました。 藤原南家、豊成の娘、郎女(いらつめ)は、外の様子も知らない箱入り娘でしたが、千部写…

それでも「LIFE」なのさ 小沢健二『LIFE』

しばらく小沢健二の『LIFE』を聴き続けた。 今さら気恥ずかしい気もするのだけど、とてもいいアルバムだと思う。 渋谷系は敷居が高い感じがするし、小沢健二という人には熱心なフォロワーがいることなどもあって、僕みたいな無教養な人間には縁のないものだ…

引用のドヴォルザーク 交響曲第9番

個人的にドヴォルザークの交響曲第9番は、よく引用の対象になっていると思う。 この曲を聴いていると、ちぐはぐな印象を受けるのだけど、それは様々なところで引用されたものを聴いて、僕自身の記憶が粗いモザイク状態になるからだと思う。 ベートーヴェンの…

もしも、わらべが会計事務所に勤めていたら

僕にはそのことを実証する資格も能力もないのだけど、1980年代の日本には仮定法が広がっていたのではないかと思う。 いまの日本は同じ if 節でも、どちらかといえば条件節で現実的な考え方をするが、80年代はもっと仮定法過去のように考えたのではないか。 …

1989年のおかっぱ女子

さて僕が思春期まっ只中の1989年だった。僕はろくすっぽ人の目も見ないで話す、なんだかなぁな男子の一人だった。ときはバブル景気華やかなりし頃。テレビはバラエティ全盛のお祭り状態だった。なにしろ夕方、学校から帰ると「夕やけニャンニャン」を毎日や…

峠のモーツァルト ピアノ・ソナタ第8番

モーツァルトのピアノ・ソナタ第8番を聴いていると、山の奥深くにある峠を走る車のことを思い出す。 ぐねぐね曲がりくねった急カーブだらけの道を走ると、車の中は遠心力で人も物も外に投げ出されそうになる。 次のカーブが来そうになると、無意識のうちに身…

つなぐこと 角田光代『八日目の蟬』

読んでいて、ふと「制度から疎外されるとこれほどまで生きづらいものか」と思った。 『八日目の蝉』の前半は、不倫相手の赤ん坊をさらった野々宮希和子の逃亡生活が描かれている。 そのように書くと陰鬱な話を予想されるかもしれないが、どこにでもいそうな…

すべてが大事なわけじゃない  遅読家のための読書術 印南敦史

一冊の本に書いてあることが全部重要ということはありません。 実際、一冊読めば、重要度には差があることが分かると思います。 考えてみたら当たり前のことです。 スマホやPCで、ニュースを読んだりSNSをするときは、無意識のうちに流し読みをしています。 …

わたしのラーメン遍歴

最近スーパーで博多ラーメンのインスタント袋麺を見つけました。 昔から白濁スープの豚骨ラーメンはありましたが、博多ラーメンの極細麺を見つけたのは初めてでした。 明星チャルメラシリーズのノンフライチャルメラ豚骨がそれです。 博多ラーメンといえば、…

サミュエル・ベケットの現代性について考えてみる

サミュエル・ベケットには、「ある」と「ない」の運動しかない。 同時代の同じアイルランド人作家のジェイムズ・ジョイスの複雑さに比べたら、ある意味シンプルですらある。 そのシンプルさゆえに、芝居を見る者を驚かせ、やがて胸を打つ。 「ロッカバイ」の…

青の時代 電気グルーヴ「A recycled」

レコードプレイヤーを買ったら、昔のことが少し懐かしくなりました。 大学生のころ何回か通ったクラブでは、DJがアナログのレコード盤を回していました。 クラブというのは、僕の友達によれば、どんな人でも来ていいところでした。 実は敷居が高くて紹介とか…

違和感のマーラー

グスタフ・マーラーの第一印象は、不快でした。 初めて聴いたのは交響曲「大地の歌」でしたが、最初のテノール歌手でつまずきました。第1楽章は「現世の寂寥を詠える酒宴の歌」というタイトルを持っていますが、いま聴くとちょっと笑えます。寂寥なのかもし…

おれ、音楽沼にはまる。レコードプレイヤーまで買ってしまった。

横浜、たそがれ、ホテルの小部屋♪ 自宅の小部屋からすいません。 音楽ネタがつづきます。 やれクラシックだ、ハイレゾだ、いってたら、とうとうアナログの音が聴きたくなってしまいました。 もうね、これは沼ですよ。 音楽沼。 最初は図書館で粛々とクラシッ…

レナード・バーンスタインのベートーヴェン交響曲第7番

バーンスタインといえば、カラヤンと並び賞される20世紀後半を代表する指揮者です。 3人目になると意見が割れるのは世界3大オーケストラでも同じですが、バーンスタインとカラヤン、ウィーンフィルとベルリンフィルは堅いと思います。 僕がクラシック好…

体験的読者論

僕は30代になってから、村上春樹の小説を読み始めた。 もっと若い頃に読んだこともあったが、いまひとつピンとこなくて熱心な読者になることはなかった。 なんというか少し暇になったこともあって、ひとりの作家を追いかけるということを始めてみようと思っ…

つれづれなるままに 日暮らし 硯にむかひて 「Kiss4月号」

Kiss4月号に「のだめカンタービレ」の読み切りが掲載されています。 僕は単行本で読んでいて、しかも未だ完読してないのですが、Kissを読んでみました。 ツイッターで予告があったとおり、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番でした。 ラフマニノフといえば、…

なんでもベスト5 哲学書編

なんでもベスト5 哲学書編 ♪ちゃらららら ちゃらららら はい、BGMは「Heat is on」です。 とんねるずのオールナイトニッポンのワンコーナーですね。 どんなネタをやっていたのか忘れてしまいましたが、ま、なんでもベスト5です。 今更ですが、インターネッ…

貯水槽の上の美少女 ほしよりこ『逢沢りく』

まず、このマンガの特徴は、上下巻以外、ひとつも区切りがないことです。 第何話というような切れ目が一切ありません。 だからどこで一息つくとか、読者は自分で判断することになります。 なんでもないことに思われそうですが、この作品のテーマに「技巧」が…

相似するものたち 雪かき仕事とテンペストとグレン・グールド

最近時々、家で皿洗いをするようになった。 同居する母親がほとんど家事をしてきたのだけど、徐々に役割分担をしていこうという空気になってきたからだ。 皿洗いをしていると、やるべきことが目の前に積まれているのに気づく。 面倒だなぁと心を曇らせながら…

これはスゴい!ハイレゾでベートーヴェン交響曲第7番を聴いてみた!

クラシックにもポップな曲があるなと思ってはまったのが、ベートーヴェンの交響曲第7番でした。 ポータブルヘッドホンアンプを買ってハイレゾ環境に対応、模索を始めたのだけど、ある意味、出来上がってしまったかもしれない。 音楽の場合、たくさんの要素…

空っぽの入れ物と無関心 四元康祐『偽詩人の世にも奇妙な栄光』

あらすじのつもりが、思いの外、大部の抜き書きになってしまいました。 そのつもりでお読みください。 タイトルからして、どこか既視感がある。 吉本昭洋は、中学2年の時に中原中也の詩集と出会い、詩にとりつかれる。 トタンがセンベイ食べて 春の日の夕暮…

日本の現代国語教育の問題点と対策

僕はもう20年以上前に高校を卒業した人間ですが、その当時、現代国語というのがどうにも解せない科目でした。 今はどうか知りませんが、評論文や小説の断片や短篇を読まされるんですよね。 高校生ぐらいになれば、辞書さえあれば日本語で書かれた文章なら、…

愛というにはほど遠いけれど 魔法少女まどか☆マギカ

先日「魔法少女まどか☆マギカ(全12話)」を通して見ました。 そして今朝「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ(前編)」を見ていたのですが、シーンもセリフも基本的には同じだったので、ちょっと暁美ほむら的な冷めた目で見てしまいました。 どちらかというと考…

雪化粧

昨晩から今日にかけて雪が降りました。 外に出てみるとうっすら雪が積もっています。 これは午後の鳥取市内です。 幹線道路ではない道で、日陰のところは、アイスバーン状態になっていました。 危険なので、車のスピードを落とします。 山間部に行くと、雪が…

ボトルネックの不思議

ボトルネックということばを聞いたことがあるだろうか。ビジネス書のタイトルで、ボトルネックを解消しなさい的なものがあったら、それはこういうことだ。音楽のオーディオシステムをイメージしてほしい。単純なところでは、iPhoneにイヤホンを指しただけで…

iPad Air2のベストな画面ポジションを発見した!(右利き用)

iPad Air2を購入して1年と2ヶ月。 僕はホームボタンが下にくる画面設定にしていました。 デフォルトだとそうですよね。 デザインがiPhoneをそのまま大きくした感じだし、iPad Air2でもなんの疑いもなくそうしていました。 映像をみるときは、横にくるっと回…