ゴルトベルク変奏曲とグレン・グールド/Goldberg Variations と Glenn Gould
グレン・グールドの「ゴルトベルグ変奏曲」を何かの拍子に思い出した。
「ゴルトベルグ変奏曲」は、バッハ作曲で「アリアと種々の変奏」と題されている曲で、不眠症に悩む貴族のためにゴルトベルグが演奏したという逸話から、通称「ゴルトベルグ変奏曲」と呼ばれる。
しかしゴルトベルグは当時14歳だったことから、この逸話には懐疑的な見方が多い。
グールドのデビュー盤はこの曲で、あるいはゴルトベルグ少年に自分を重ねたのかもしれない。
僕が思ったのは、Glenn Gould という名前が、Goldberg の韻を踏んでいるのではないかということだった。
英語で、Glenn Gould は Goldberg の頭韻を踏んでいる。
G G と。
ならば Glenn Gould は Goldberg Variations ではないか。
「ゴルトベルグ変奏曲」はグールドの代表曲となったが、そもそもの動機が、自分の名前が曲名の韻を踏んでいたからだとしたら、愉快なことだとはいえまいか。
ちなみに、頭韻は早口言葉に用いられたりするらしい。
グールドが時々見せた速い演奏は、もしかしたらそんな動機からだったのかもしれないじゃないか。
1955年録音盤と1981年録音盤があります。