すべてが大事なわけじゃない  遅読家のための読書術 印南敦史

一冊の本に書いてあることが全部重要ということはありません。

実際、一冊読めば、重要度には差があることが分かると思います。

考えてみたら当たり前のことです。

スマホやPCで、ニュースを読んだりSNSをするときは、無意識のうちに流し読みをしています。

それなのに本になると全部重要に思えて、1行1行、丁寧に読んでしまいます。

それでも読みきればいいのですが、途中で投げ出して中途半端なままになったりします。

 

遅読家というのは、本に書いてあることが全部大事だと思ってしまう人のことです。

著者や僕もそうなのですが、こういう人は内容を全部ストックしようとしているのです。

そのために1ページに5分もかけて読んだり・・・

これに対し著者は、本の内容を身体に流すようなフロー型の読書を提唱しています。

全部ストックするのではなく、流して残るものがあればいいじゃないかという考えからです。

 

著者は音楽ライターということもあって、フロー型の読書の方法を、DJのサンプリングにたとえて説明します。

それがワンライン・サンプリング、ワンライン・エッセンス、ワンライン・レヴューです。

ワンラインとは、自分が重要だと思った1行のことで、これを読みながら書き出してサンプリング、つまり集めるわけです。

そしてその中でも一番大事なものをワンライン・エッセンスとして選び出し、それに自分のコメントとしてワンライン・レヴューを書きます。

これならあれこれ詰め込もうとするよりすっきり軽くなりますよね。

 

その他にも、著者の経験に基づいた読書術がいくつか紹介されています。

僕が使えそうだと思ったのは、読書のリズムが一定だと飽きてくるから、リズムを変えるようにした方がいいということでした。

 

この本を読んでからフロー型の読書を試してみたのですが、感想としては、冒頭に書いたように一冊の本の中にも重要度の差は思ったよりあるし、ゆっくり読むより早く読んだ方が記憶が鮮明な分、重要度の差がはっきりしやすいということでした。

小説のようなストーリーコンテンツは速く読むことができないのですが、それでもメリハリをつけたフロー型の読書には一定の使い道はあると思いました。

 

 

遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣

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