ユーモア音楽のロッシーニ 「泥棒かささぎ 序曲」
クラシック音楽にはどこか厳めしさが付きまといます。
しかしそれを振り払うかのような楽しい逸話や楽曲も存在します。
真偽は定かではありませんが、一定の説得力を持ちます。
なぜなら大作曲家の中には、どちらかと言えば享楽主義的で性格破綻気味の人が少なくないからです。
クラウディオ・アバド指揮のこの曲がラジオから流れて、主人公の岡田亨がパスタを茹でながら口笛を吹いていると、知らない女から電話がかかってくるところからこの長編小説は始まります。
ちなみに、ロッシーニは作曲家から高級レストランの経営者に転身しています。
村上春樹さんの逆パターンですね。
冒頭のドラムロールは「泥棒かささぎ」というオペラで、女の主人公が死刑台にのぼるところを暗示しているといわれます。
もっともタイトルが暗示しているように、真犯人はかささぎで主人公は事なきをえます。
銀のスプーンをかささぎがくわえていったために起こった悲劇らしいです。
そんな話のせいか、曲調は全体的にどことなくコミカルです。
19世紀が全盛期だったとも言われています。
でも僕は人々の基本的な営みがそれほど時代ごとに変わるとは思いません。
19世紀だってユーモアは必要だったに違いないのです。
誰が聴いても楽しい曲だと思うので、ぜひ聴いてみてください。
- アーティスト: アバド(クラウディオ),ロッシーニ,ロンドン交響楽団
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2006/11/08
- メディア: CD
- クリック: 7回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
にほんブログ村