みんなが大事にしているから

11月9日(金)断酒16日目

天候が雨模様なので、散歩は断念して、仕方なく家で読書する。

 

橋爪大三郎『正しい本の読み方』(講談社現代新書)が面白かった。タイトルは硬いというか地味というか、ちょっとどうかと思うが、内容はよかった。新書だし、とくに奇を衒った内容でもなく、オーソドックスといえばオーソドックス。ただ、扱う範囲が広かったせいか、いささかダイジェストチックな感じは否めない。

正しい本の読み方 (講談社現代新書)

正しい本の読み方 (講談社現代新書)

 

 

橋爪さんは、人文系を代表する知識人の一人だが、社会学がご専門の方である。ぼくは昔から社会性に乏しく、友だちも少ない方だった。一人っ子のせいかもしれない。酔っぱらっているときのポリシーは、「好きなときに好きなだけ飲みたい。その結果、死んでしまってもかまわない」だった。なんというか、あからさまに社会性が欠如している。一人で飲んで、一人で死んだってかまわないというのだから。しかし低カリウム血症で入院して地獄を見たりすると、ホントはそう思ってなかったりすることが判明する。

tenhare.hatenablog.com

 

橋爪さんは、替わりがきかないという意味で、根本的には自分の命が最も大事だという。この本を読んでいて一番感銘を受けたのが、その次だ。しかし「人間は自分の命と同じか、それ以上に他者の人生が大事だと思っている」と。社会はそうやって人々が支え合う場所であり、恩恵を受けたら、恩恵を返すのが社会のルール。贈与と交換のロジックは「これは大事。なぜなら、みんなが大事にしているから」。抽象的だけど、とても心に響く。

もちろん、エゴとエゴ、主張と主張が対立するのは、ありふれた日常茶飯事である。だからといって、力の強いものが勝つとは限らない。言葉があるからだ。平和のような理念を現実にするためには、言葉の適切な運用が必要だ。

 

話が広がりすぎてどう畳もうか困ってしまったが、今日も断酒継続中。

 

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