フォーエヴァー、お姉ちゃん 水谷優子さんを偲んで
「ちびまる子ちゃん」のお姉ちゃん役をされていた声優の水谷優子さんが亡くなった。
あまりにも若く、突然の訃報に驚いた。
「ちびまる子ちゃん」が始まったのは、僕が中学生の頃だった。
いまでは日曜夕方の定番番組になっているが、はじまったころはある種の熱狂を持って迎えられた。
番組は一度終了をはさんで第一期と第二期に分けられる。
僕が熱心に観ていたのは、1990年~1992年の第一期のほうだと思う。
「おどるポンポコリン」のCDシングルがミリオンセラーとなるなど、社会現象となった。
思春期ど真ん中の僕も当たり前のように買った。
いや、米米CLUBの「浪漫飛行」を好む友だちには「えー」と怪訝そうな顔をされたが。
その頃から僕は少し子供っぽかったのかもしれない。
水谷優子さんのお姉ちゃんははまり役だった。
声質にやや金属質の堅さがあって、僕はそれが好きだった。
役柄は、大人っぽさと子供っぽさを併せ持つキャラで、長女ということもあって早くから大人になることが求められたのだろう。
おじいちゃんがまる子を溺愛するのを見ると、お姉ちゃんの立場を思って微妙に切ない気持ちになったものだ。
第二期の主題歌になるが、「うれしい予感」という曲がある。
作曲された大瀧詠一さんの「DEBUT AGAIN」という最近発売されたアルバムの中にもある曲で、大変好きな曲だ。
番組では渡辺満里奈さんが歌うバージョンだったが、水谷優子さんと渡辺満里奈さんの声が似ていなくもない。
そのせいもあってか歌の雰囲気や歌詞は、どこかお姉ちゃんを思い出させる。
しっかり者のお姉ちゃんらしく、どこか控えめで儚げなうれしい予感だ。
水谷優子さんのご冥福をお祈りします。ありがとうございました。