グルダの美学
ピアニスト、マルタ・アルゲリッチの伝記を読んでいました。
アルゲリッチが故郷のアルゼンチンを離れ、オーストリアのウィーンで師事することになるのがフリードリヒ・グルダです。
一般的にピアノソナタでは、男性的な第一主題と比べて、第二主題は静かで柔らかく女性的なのだそうですが、グルダのリズムは変わらず、妙なしなを作ったりしないのだそうです。
はじめにリズムありきということでしょうか。
へえ、そりゃどんなものだろう?という好奇心から、グルダのベートーヴェンのピアノ曲集を購入して聴いてみました。
ピアノソナタ第17番「テンペスト」を聴いていると、グルダの演奏は正確な打鍵で安心感があります。
名だたる巨匠でも音を外しまくる人が時々いて、落ち着かない気分になることがありますが、その点ではこの師弟は心配しなくてもよさそうです。
「テンペスト」みたいな起伏の激しい曲でほっとするというのも、おかしな話ですが。
ヘッドホンで聴きながら酒を飲んでいたのですが、3楽章のなんともいえず伸びてくる高音と低音を繰り返し聴いていると、時間が経つのが惜しいと感じました。
圧倒的な技術と陶酔感。
おかげで翌日は二日酔いでつらかったです。
Beethoven: Piano Sonata No. 1-32, Piano Concertos No. 1-5
- アーティスト: Ludwig van Beethoven,Horst Stein,Wiener Philharmoniker,Friedrich Gulda
- 出版社/メーカー: Decca
- 発売日: 2005/11/04
- メディア: CD
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