苛つく
11月22日(木)断酒29日目
とくに毎日更新する必要もないし、今日の日記はやめようかと思っていました。
しかし、なぜだかいま「苛つく」ので更新することにしました。なにがきっかけや導火線になるかわからないものですね。
ごくごく平穏な一日でした。病院に行って薬をもらって、夜はテレビを見て、たまったネットの文章を読んで。というか、むしろ新しい生活習慣が確立されつつあると感じて、充実した一日でした。
いろいろ勉強になることもあるし、自分なりに楽しんでいるし。
NHKBSプレミアムの「ザ・プロファイラー」という番組を見ました。ショパンを取り上げていたからです。
不勉強なものでショパンというのは、明るくて華やかな人だと思っていました。子供の頃は、モノマネで笑いを取っていたというし、なんとなく社交界の人だと思っていました。
放送を見て、ショパンのイメージが変わりました。
ベリーキュート。けなげ。
若干7歳で初めて作曲するわけですが、それがポロネーズでした。ポロネーズというのはポーランドの舞曲なのだそうです。後にショパンは、英雄ポロネーズとか軍隊ポロネーズといった有名な曲を作曲しています。
そして、もうひとつのポーランド起源の舞曲がマズルカ。これはショパンがポーランドの田舎に越したときに身に付けたのだそうです。農民たちが踊る舞曲で、ポーランドの民族音楽なのだそうです。
マズルカといえば、トルストイの『アンナ・カレーニナ』に出てきます。ロシアの舞踏会で、アンナがマズルカで激しく踊る最初の山場みたいなシーンです。
ショパンの曲だったかどうかはわかりませんが、ショパンとポーランドにとって因縁の関係だったのがロシアです。
ショパンが若い頃、ポーランドで革命の戦争が始まりました。ちゃんとテレビを見てなくてあまりはっきり言えないのですが、ポーランドはロシアの支配下から独立しようとしたのだと思います。
若きショパンも故国に帰って戦争に参加しようとするのですが、すでに音楽家として有名人だったらしく、音楽で頑張るように諭されたそうです。
そして、この頃からシャイでナイーブなショパンの作曲に、怒りのような激しさや激情が現れるのです。
ショパンが「苛つく」わけですね(笑)
そしてアンナがブロンスキーと激しく踊り恋に落ちたのはマズルカなのですが、不倫であり略奪愛だったわけで、トルストイの意図がようやくいま少し腑に落ちました。
ショパンの人生は、番組冒頭でゲストの美輪明宏さんがおっしゃっていたとおり、「かわいそう」でした。美輪さんは、ショパンには「生きる才能」がないと言われていました。妖精が人間の殻をまとったようなものだと。
ショパンのお墓には、「あなたの富のあるところに、あなたの心もある」と刻まれているそうです。気になってググってみると、新約聖書のマタイ伝にある言葉でした。どういう意味なのでしょう・・・。
番組を見終わってしばらく高揚したあと、ショパンのピアノ協奏曲第1番を聴きました。どこで覚えたんだっけと記憶をたどっていくと、『のだめカンタービレ』の22巻で、のだめが千秋とではなくシュトレーゼマンと協演した、マンガのクライマックスシーンでした。実はこの巻でぼくは燃え尽きてしまって、いまだに『のだめカンタービレ』を読破していないのですが、もうちょっと頑張って最後まで読んでみようと思います。ちなみに『アンナ・カレーニナ』も読破していません。
お粗末さまでした。