『騎士団長殺し』のどこがすごいか
毎度の馬鹿自慢になりますが、このタイトルのもととなったモーツァルトのオペラ「ドン・ジョヴァンニ」について僕は何も知りませんでした。
でも、ちゃんと小説を読めば、予備知識が皆無でも「ドン・ジョヴァンニ」がどんな話かぐらいは頭に入ってきます。
それとは別に、「ドン・ジョヴァンニ」という作品には、歴史の中での位置づけがあります。
オペラということでなじみが薄いのですが、第一級の作品であることは疑いようがないみたいです。
なんか、そこは盲点だったのですが、僕はマイナーなオペラぐらいにしか思っていなかったのです。
教養がないのですね。
「ドン・ジョヴァンニ」をモチーフにしたということは、村上さんはヨーロッパのカルチャーの本流に果敢に切り込んでいるのだと思うのです。
だって、下手にモーツァルトなんかをパロディにしたら、底の浅さとかが、分かる人には分かってしまうじゃないですか。
僕なんかはその自信とかにも舌を巻いてしまいました。