2017-01-01から1年間の記事一覧

或る日突然

僕の初恋は、或る日突然でした。高校1年の時でした。僕と違って活発で友達も多い子でした。その子が席替えの時、なんだかそわそわしていました。席順なんか力のある子はどうとでもできます。なんの接点もないと思っていた僕たちの目が、ふと合いました。そ…

最高の朝食

最高の朝食ってなんだろう。少し考えてみた。 まず朝7時に食べるときは、他のいろんなことがうまく回っているはずだ。遅くまで飲み過ぎたということもないだろう。そしてその日はきっと何か素敵な予定があるに違いない。 前日、酒が控えめなのは、どうして…

「疾走する悲しみ」の存在論・・天才たちの世界に触れる

モーツァルトの曲を評して、「疾走する悲しみ」といわれることがあります。 ピアノソナタ第8番やピアノ協奏曲第20番とかは典型だと思います。 この二つの曲に共通するのは、モーツァルトには珍しく短調の曲だということがあります。 短調はもの悲しく聞こえ…

ひとりめし

しばらく気が進まなくて、外食に行きませんでした。 マックとかモスでテイクアウトをすることはあったのですが、お店の中で食事をすると、人目や声をとても気にするようになったからです。 でも、最近少しずつ調子がよくなってきたし、お腹がとてもすいてい…

失われた時間を求めて・・竹内まりや「駅」

竹内まりやさんの「駅」は、酒を飲みながら繰り返し聴いていると、人目もはばからず号泣してしまう恐ろしい曲です。 なんでそんなことになってしまうかなぁと折にふれて考えてきました。 歌詞をつらつら追いかけてみるに、電車の中で元彼をみつけて女性がも…

グルダの美学

ピアニスト、マルタ・アルゲリッチの伝記を読んでいました。 アルゲリッチが故郷のアルゼンチンを離れ、オーストリアのウィーンで師事することになるのがフリードリヒ・グルダです。 アルゲリッチは「グルダの美学」に惚れ込んでいました。 一般的にピアノソ…

『騎士団長殺し』のどこがすごいか

村上春樹さんの新作『騎士団長殺し』を読みました。 毎度の馬鹿自慢になりますが、このタイトルのもととなったモーツァルトのオペラ「ドン・ジョヴァンニ」について僕は何も知りませんでした。 でも、ちゃんと小説を読めば、予備知識が皆無でも「ドン・ジョ…