2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

目のくらむ映画をみているような・・ラヴェル「ピアノ協奏曲」

パシッと一発、鞭を入れて曲が始まる。 あるいは映画のカチンコのような音だといってもいい。 この音を聴いただけで、「ラヴェルかっこいい!」と思い、曲に引き込まれる。 ラヴェルは19世紀から20世紀にかけて活躍したフランスの作曲家である。 作風は一般…

フォーエヴァー、お姉ちゃん 水谷優子さんを偲んで

「ちびまる子ちゃん」のお姉ちゃん役をされていた声優の水谷優子さんが亡くなった。 あまりにも若く、突然の訃報に驚いた。 「ちびまる子ちゃん」が始まったのは、僕が中学生の頃だった。 いまでは日曜夕方の定番番組になっているが、はじまったころはある種…

なりきり古代人として 近藤ようこ『死者の書』

近藤ようこ『死者の書』上下巻を読みました。 原作は民俗学者・国文学者の折口信夫です。 僕は本も漫画も読むのが遅いのですが、この漫画はほとんど一気読みしました。 藤原南家、豊成の娘、郎女(いらつめ)は、外の様子も知らない箱入り娘でしたが、千部写…

それでも「LIFE」なのさ・・小沢健二『LIFE』

しばらく小沢健二の『LIFE』を聴き続けた。 今さら言うのも気恥ずかしい気がするのだけど、とてもいいアルバムだと思う。 渋谷系は敷居が高い感じがするし、小沢健二という人には熱心なフォロワーがいることなどもあって、僕みたいな無教養な人間には縁のな…

引用のドヴォルザーク 交響曲第9番

個人的にドヴォルザークの交響曲第9番は、よく引用の対象になっていると思う。 この曲を聴いていると、ちぐはぐな印象を受けるのだけど、それは様々なところで引用されたものを聴いて、僕自身の記憶が粗いモザイク状態になっているからだと思う。 ベートーヴ…