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turboの日記

読むこと、聞くこと、書くこと、世界の探求

1989年のおかっぱ女子

さて僕が思春期まっ只中の1989年だった。
僕はろくすっぽ人の目も見ないで話す、なんだかなぁな男子の一人だった。
ときはバブル景気華やかなりし頃。
テレビはバラエティ全盛のお祭り状態だった。
なにしろ夕方、学校から帰ると「夕やけニャンニャン」を毎日やっていたころなのだ。
いまから思えばちょっとどうかと思う番組タイトルだが、僕は健全な中学生を装って部活動に励んでいた。
長い間、帰宅部が続いたので、学校での集団行動になじむことがうれしくて、毎日楽しかった。
そんなわけで僕は「夕やけニャンニャン」を一度も見ていない。

そのかわり学校の新体操部がアイドルだった。
彼女たちは頭をおかっぱに刈り上げて、毎日校内で一番厳しい練習に耐えていた。
がに股の歩き方まで気品があるように思えた。
僕にとって凛として近寄りがたいアイドルだった。

小泉今日子が「なんてったってアイドル」を歌っていた頃、世間で猛威を振るっていたのが不良だった。
小泉今日子は不良である。
松田聖子がトップアイドルのとき、自らの聖子ちゃんカットを休日にばっさり切ったのが小泉今日子である。
その後の売れ方から、卓越したセルフプロデュース能力の賜物といわれている。

校内を不良が席巻し、一部男子がおニャン子クラブにのめり込む一方で、一部女子はキョンキョンよろしく頭を刈り上げて毎日厳しい練習をこなす。
彼女たちは全国大会もへっちゃらだった。
たしかに1989年は「学園天国」であり「なんてったってアイドル」の時代でもあったのだ。