ゴーン、ゴーン、ゴーン ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」と『のだめカンタービレ』第5巻
ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番は、ある時、ワンフレーズがとても自分の琴線に触れたことがありました。
第1楽章の4分ぐらいから始まるピアノとオーボエのパートで、ほんとに綺麗だなーと思って、思わず涙がポロリとこぼれました。
つらい時期だったかと思います。
それからこの曲がヘビーローテションになって、もう何百回と聴いているはずなのですが、また気付きがありました。
出だしの、ゴーン、ゴーン、ゴーンっていうところは、もしかして教会の鐘の音を表しているんじゃないか?と思ったのです。
身近に教会がないし、馴染みがないので気が付かなかったのですが、アニメの世界名作劇場とかで観た記憶があるって思い出したのです。
少し調べてみると、教会で鐘がなるのは、普段の礼拝、結婚式、人が亡くなった時などだそうです。
ただ、そうだとしてラフマニノフのこの曲はどういう意味を持っているんだろう、と悩みました。
ピアノ協奏曲第2番を作曲していた頃、ラフマニノフは極度のうつ状態だったことが知られています。
そしてそのうつ状態を克服して、完成したこの曲は激賞されたそうです。
それならまさか葬式じゃないよなぁと思いつつ、とりあえず『のだめカンタービレ』にあたってみようと思い、パラパラと再読してみました。
ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番は、『のだめカンタービレ』第5巻に出てきます。
学園祭で、千秋真一がピアノを担当して、師匠のシュトレーゼマンが指揮をしますが、シュトレーゼマンはこの演奏を最後にドイツに帰国します。
シュトレーゼマンは、千秋との別れに際し、この曲を選んだわけです。
そして二人による素晴らしい演奏を聴いたのだめは、この曲に強く惹かれ、夢の中で、シュトレーゼマンに自分も弾きたいと懇願しますが、シュトレーゼマンは「のだめちゃん・・・もっと音楽に正面から向き合わないと、本当に心から音楽を楽しめまセンよ」といって去っていきます。
のだめカンタービレ全体を通してキーワードだった、「音楽に心から向きあう」は、すでに第5巻に出ていたのです。
この第5巻では、諦めきれないのだめが、猛練習を重ね、公式な場ではありませんが、千秋と息のあったピアノコンチェルトを演奏することになります。
それをみた千秋の元カノ彩子は、すべてを悟って去っていく・・・。
ほんと大雑把にいうとこんな感じですが、なんと重厚な構成でしょうか。
しかも、これまだ序盤なんですよね。
ストーリー漫画って、すごい仕掛けが組んであるんですね・・・。
そして、この『のだめ』第5巻は、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の解釈になっていないでしょうか。
その他にも、漫画の中には細かいネタがいっぱい転がっています。
のだめが持ってた懐中時計が欲しくなった。
ゴーン、ゴーン、ゴーン。
sm21525892 ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 作品18 辻井伸行 ...